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◎表皮水疱症ってなに?
表皮水疱症(ひょうひすいほうしょう)は、ちょっとした力加減や摩擦などで、全身の皮膚や粘膜に水疱(水ぶくれ)やびらん(皮膚がむける=ただれ)ができる病気です。皮膚のそれぞれの層を十分につなぎとめるタンパクが生まれた時から欠けているため、簡単に皮膚の層がはがれやすく、水疱やびらんができるのです。強く引っ張られる場合はもちろん、人や物に擦れたり、ぶつかったり、寝返りをうつだけでも水疱はでき、皮膚がむけてしまいます。爪や歯、髪の毛も皮膚なので、変形や欠損がおこりますし、繰り返す皮膚のダメージや痛みをともなうため、歩くことや食べることにも困難がともないます。ちなみに、英語名は、Epidermolysis Bullosa(EB)といい、欧米では、皮膚のもろさを蝶の羽にたとえ「バタフライ・チルドレン=触ると壊れる子供たち」といわれています。

◎この病気はどうしておこるの?
皮膚は、外界に接する側から順に、表皮、真皮および皮下組織の3層から成り立っています。表皮と真皮の間には、基底膜と呼ばれる強靭なタンパク層が存在し、表皮の一番下層にある基底細胞がこの基底膜に鋲でとめられています。そのタンパクが正常に存在しない表皮水疱症は、皮膚の外表に近い部分(表皮ならびに真皮上層)や粘膜に、わずかな力加減で容易に水疱やびらん(ただれ)を生じさせてしまうのです。つまり、表皮水疱症は、皮膚をつくるタンパクの生成に必要な遺伝子に問題が生じる難病です。それぞれの親が持つ優性遺伝、もしくは劣性遺伝の組み合わせ方によって、それはまるでタイピングの打ち間違いのような遺伝子変異がおこるために、タンパク質が正常に作られなくなり、皮膚の層をつなぐ役割を十分に果たすことができなくなるのです。

◎遺伝について
優性遺伝とは・・・
人は誰でもすべての染色体が2本ずつあり、1本は母から、他の1本は父から受け継ぎます。優性遺伝の表皮水疱症は、例え1本の染色体が正常であっても、他の1本に変異があれば皮膚にびらんや水疱が生じるようになります。つまり,両親のうち、どちらか一人がこの遺伝子を持っていると、妊娠した子供は2分の1のリスクで表皮水疱症を受け継ぎます。優性型表皮水疱症は遺伝性ですが、家族歴がなくても突然変異で起こることが時にはあります。

劣性遺伝とは・・・
劣性遺伝の表皮水疱症は、2本の染色体ともに変異があるときはじめて、赤ちゃんが病気になるというものです。染色体のうち1本だけの変異であれば症状は出ません。その人は保因者=キャリアと呼ばれます。両親ともキャリアであれば、子供は4分の1のリスクで染色体の2つとも変異した状態で受け継ぎ、表皮水疱症となります。

◎どのくらいの患者がいるの?
国内の患者数は、推定でおよそ数千人、重症型は1,000人程とみられています。 病型別の割合は、男女の比率は1:1、多い順に、劣性栄養障害型33%、単純型32%、優性栄養障害型21%、接合部型7%、その他7%となっています。

◎病気の原因はわかっているの?
水疱のできる部位により、単純型(表皮内)、接合部型(透明層接合部)、栄養障害型(真皮内)の、主に3つのタイプに大別されます。これは主に、皮膚層の中での、水疱のできる位置によって決められ、さらに、皮膚の臨床所見や遺伝形式、必要に応じて生検や遺伝子検査によって細かく分類されます。それぞれの病型や症状の多様さによって、重症度も治療法も異なってくるため、より正確な病型診断を行います。遺伝子の解明と研究の進歩により、その発症要因と症状もわかってきています。

表皮水疱症の分類

「あたらしい皮膚科学」清水宏著より

◎どのような症状がおきるの?
すべての病型に共通する症状は、ほんのわずかな刺激や外力で、簡単に水疱やびらんができてしまうことです。出生した瞬間から、あるいは幼少時から始まり、一生涯を通して症状は変わらないことがほとんどです。季節によって、環境の変化やストレスなどにもよって悪化しやすいのも特徴です。重症の場合には、繰り返しておきる水疱やびらんのために、手や足の指の皮膚が癒着したり、歩くことや食べることなど日常生活が困難になったりします。合併症として、皮膚悪性腫瘍、食道狭窄、幽門狭窄、栄養不良、貧血(主に鉄欠乏性)、関節拘縮、成長発育遅延などがあり、とくに劣性栄養障害型と接合部型の重症型において多く見られます。

(a)単純型                        
単純型の水疱は表皮のすぐ下にできます。主に手や足にできますが、体全体に出る場合もあります。水疱やびらんが治った後に瘢痕や皮膚萎縮を残さず、きれいに治るのが特徴です。目に見える病変がなくても、隠れたところに水疱やキズがあることがあり、痛みや自由に動けないなど、外見からはわかりにくい症状なので、周囲から理解されにくく、精神的なフォローがより必要となります。

(b)接合部型
重症型は乳幼児から小児期までに死亡することが多いですが、軽症型の接合部型もあります。これらの子供達は水疱が治るときに、瘢痕は残りませんが、皮膚萎縮を残すのが特徴です。

(c)栄養障害型
栄養障害型には、主に優性型と劣性型があります。真皮の下(表皮の深い部分)にできるため、水疱やびらんができると重症で、治るのにも時間がかかります。 優性型は、水疱が全身に発症し、治った後に瘢痕を残しますが、その多くは軽度です。 劣性型では重症型になると、生まれてから全身に水疱やびらんが繰り返し多発し、皮膚が瘢痕化、足や手の指がくっついてしまいます。皮膚の一部である、頭髪、爪、歯などの欠損もおこります。さらに、口の中や食道の粘膜も傷つきやすいため、栄養が十分に摂取できなくなって、さまざまな成長障害をきたします。青年期以降は、繰り返す皮膚再生によって、皮膚がんを発症しやすくなります。

◎どのような治療法があるの?
いま現在、病気を完全に治す治療法はありません。日々の症状に対して、その都度、水疱をすばやく処置したり、痛みを軽減させるなどの対症療法が主となります。 基本的な皮膚ケアの主な留意点としては、

1) できるだけ接触や摩擦などの刺激を避ける
2) 水疱はできたらすぐに内容液を取り除く
3) 皮膚の状態を良好に保つように症状に合わせた治療用材やケア方法を工夫する さらに、次の点にも細心の注意が必要です。

1 . 湿潤治療
皮膚の治療では、ほとんどの場合、消毒をしたり、傷口を乾かす必要ありません。傷口のバイ  菌は流水または生理食塩水で洗うことで十分ですし、傷口の神経に空気が触れないように密封  して自然に潤す湿潤療法によって、痛みが和らぐとともに、早くきれいに治すことができます。  一般のガーゼ交換だと傷にくっつきやすいために痛みがひどく、治りかけの新しい皮膚も剥が  してしまうので治りにくいなどの悩みがありますが、今は傷に固着しないガーゼや、密封性や  抗菌性のある創傷被覆・保護材(ドレッシング材)が使われています。ただし、びらんの悪化  が認められるなどの変化がある場合は、真菌や細菌感染、皮膚ガンなどの可能性がありますの  で、一日も早く皮膚科医を受診するようにしてください。  なお、表皮水疱症患者に限って、在宅用に必要なガーゼの保険適用支給が2010年4月1日より  実施されています。詳細については、医療費の助成をご覧ください。 

2 . 感染対策
傷から雑菌が侵入することで二次感染症をおこしやすいので用材処理や室内環境に注意します。  また、皮膚の乾燥や傷口のかさびたなども雑菌を招く要因となるので、皮膚をきれいに洗浄・  保湿・保護するケアもしておくことも大切です。

3 . 合併症対策
重症型の場合、潰瘍や腫瘍などから皮膚ガンになる可能性が大きいので、いつもと違う異変(傷  の状態や異臭、発熱、だるさ、貧血、痛みなど)があるときには、すぐに皮膚科の専門医を受  診し、適宜臨床各分野の専門医の協力を得て、適切な処置を行う必要があります。

4 . 栄養管理
皮膚症状の改善には、栄養状態が良好であることが必須です。しかし、口が大きく開けられな  い開口障害や、飲み込みが難しい食道狭窄の症状が見られる重症例では、時として口からの食  事が普通にとりにくいことから低栄養状態になることが多くなります。そのため、定期的に栄  養管理指導を受け、必要に応じて高カロリー経口飲料、点滴などによる栄養補給を図ります。

◎治療の研究は進んでいるの?
皮膚における欠損のある遺伝子=タンパクを取り替える有効な治療法を見つけようと,遺伝子治療の研究は世界レベルで着実に続けられてきました。とくに、最近では、イタリアやアメリカ、チリでの骨髄移植の症例のほか、国内外での培養皮膚の開発など、治療研究のめざましい成果が世界各国より報告されています。近い将来、治る見込みの高い難病といわれています。

◎WEBサイト「難病情報センター」で、主に国の医療行政について詳しい情報がご覧になれます。
http://www.nanbyou.or.jp/
このサイトには、特定疾患に関する解説や申請方法、療養生活に必要な難病制度、障害者自立支援法、介護保険法、医療保険制度のほか、就労支援、看護や福祉機器サービス、患者支援などについての情報も網羅しています。

参考資料:
「あたらしい皮膚科学」 清水宏著(中山書店)
「The Care of the New Baby with EB Initial Information」 
(By Jacqueline Denyer from EB Publications in DebRA UK)
難病情報センター「皮膚・結合組織疾患調査研究班(稀少難治性皮膚疾患)調査」

◎医療費の助成はあるの?
表皮水疱症は、難病対策要綱に基づき、調査研究の推進が図られていると同時に、医療費の自己負担の軽減を目的とする各種の医療助成制度があります。さらに、地域における在宅支援を目的とする難病相談施設の整備や、難病福祉手当、福祉サービスの利用に関する制度などがあります。 なお、各制度の実施や申請手続き等については、それぞれの地域によって異なりますので、お住まいの都道府県の保健所や各保健福祉センター、あるいは市区町村相談窓口にお問い合わせ下さい。

◎特定疾患医療費助成制度
表皮水疱症は、昭和63年に国が指定した特定疾患治療研究事業の対象となっており、重症型の「接合部型」と「栄養障害型(優性、劣性)」に限って、医療費の全額、または一部公費負担があります。介護保険の適用になる医療サービスについても公費負担が受けられます。 ただし、「単純型」については、事業対象外のため、一定の医療費が自己負担となります。  特定疾患の公費負担については、本人、または扶養世帯主の所得状況に応じて、自己負担上限額が決められていますが、生計中心者の市町村税が非課税の場合や、重症患者認定を申請することで、自治体から医療費の一部が助成され、自己負担もなくなります。

特定疾患治療研究事業は、難病患者の医療費の助成制度です。保険診療では治療費の自己負担分は3割相当(サラリーマンは3割)ですが、その自己負担分の一部を国と都道府県が公費負担として助成しています。 臨床調査研究分野対象疾患130のうち、現在56疾患がこの制度の対象で、医療費助成の制度があり、「特定疾患医療受給者証」の交付を受けると治療にかかった費用の一部が助成されます。 疾患毎に認定基準があり、主治医の診断に基づき都道府県に申請し認定されると、「特定疾患医療受給者証」が交付されます。本事業の実施主体は都道府県であり、都道府県知事が、本事業を行うに適当と認められた医療機関(主に大学付属病院等)での診断が必要となります。

◎重症患者認定
重症患者認定とは、視力や聴力、手や足・体幹機能に著しい障害がある等の重症患者認定基準を満たした場合に、自己負担金が免除されるものです。

◎身体障がい者手帳の取得
身体障害者福祉法などによる援助を受けたり、医療費助成などの各種制度を利用するために必要な手帳であり、障がいの程度により1~6級に区分されています。なお診断に必要な診断書は指定の医師が作成します。

医療費の助成はあるの?

◎小児慢性疾患医療費助成
18歳未満の新規患者は、小児慢性疾患医療費助成に申請します。20歳未満まで継続できます。

◎上記以外の、助成制度
各都道府県、あるいは市区町村では、それぞれの条件に応じて医療費等の医療助成を行っています。
詳細は、最寄りの保健所、市区町村の窓口にお問い合わせください。
◆ 特別障害者手当(国)
◆ 重度心身障害者手当(都道府県)
◆ 心身障害者福祉手当(区市町村の手当)

◎難病患者福祉手当(市区町村制度)
各自治体によっては、医療費公費負担以外に、難病手当てや見舞金、都市圏など指定病院への通院のための遠隔地居住者への交通費助成などの形での補助などもあります。
各種交付申請を行う場合、指定医師の診断書料についての助成を行っているところもあります。

◆ 東京都の難病患者福祉手当
葛飾区・台東区・中央区:月額15,500円。足立区:月額15,000円。目黒区:月額13,000円。
豊島区・武蔵野市:月額12,000円。三鷹市:月額11,000円。中野区:月額10,000円。
西東京市:月額5,500円(所得・年齢制限なし)。東大和市:月額5,100円。東久留米市:月額5,000円。
東村山市:月額4,250円。
特殊疾病者福祉手当(難病手当)制度 昭島市:月額5,000円。 国分寺市:月額6,000円など。

◆ 茨城県の難病患者見舞金制度等 各市町村毎に月額1,000円から20,000万円の手当があります。

◆ 埼玉県の難病者福祉手当
埼玉県狭山市では、特定疾患(県指定含む)ほかの難病患者に月額6、000円の「難病者福祉手当」を支給しています。これには所得制限はなく、主治医の診断書があれば受給できます。
川越市、熊谷市、川口市、さいたま市、所沢市、本庄市、東松山市、岩槻市、鴻巣市(小児慢性特定疾患)、上尾市、入間市、朝霞市、志木市、新座市、久喜市、蓮田市、比企郡小川町、北埼玉郡南河原村にも「難病患者見舞金」支給があります。

◆ 大阪市の難病療養者への見舞金の支給 
市内在住で、進行性筋萎縮症・大阪市小児慢性特定疾患・大阪府特定疾患で療養している方に、見舞金として1万円を支給します。ただし、施設に入所している方は除きます。

以上は、各自治体のホームページに掲載されている情報をまとめたものです。
ほかの都府県・市区町村の難病福祉手当等についての情報がありましたらご連絡お願いします。

◎新設~在宅難治性皮膚疾患指導管理料による在宅用治療用材の助成

平成22(2010)年度診療報酬の改正で、同年4月1日より、表皮水疱症患者に限り、「在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料」が新設されました。これにより、それまですべての治療用材が全額自己負担だったのが、特定保険医療用材について在宅用に必要な分だけの支給が助成されるようになりました。ただし、通常のガーゼ・傷に固着しにくいメロリン・デルマエイドなど日常的に使用される材料や包帯、テープなどの一般医療機器は保険カバーされないため、今後も看護ケアの人件費助成を含めた保険適用の拡充や、外国製シリコンドレッシング材の早期認可を要望する必要があります。

◎福祉サービス

◆ 難病相談事業(都道府県事業)
主として保健所で行われている福祉サービス事業で、病気や障害のある子ども達と家庭へのサポートを目的として、以下のような事業を行っています。
1.窓口・電話相談
保健所、各保健福祉センターの窓口や電話にて、保健師等が療養上でお困りのことについてのご相談をお受けします。
2.家庭訪問
患者さんのお宅に保健師や訪問相談員(看護師)、必要に応じて、栄養士、歯科衛生士が訪問し、患者さんや家族の方の日常生活や療養上の悩みについてアドバイスや情報提供をします。
3.患者・家族交流会
患者さんや家族の方々の情報交換や励まし合いの場として、交流の場を設けています。詳細については、広報や個人通知等でお知らせします。
4.医療福祉相談会
専門の医師、歯科医師、保健師、栄養士、ソーシャルワーカー、理学療法士等による医療や福祉、療養生活の相談に応じています。
詳細については、広報や個人通知等でお知らせします。
5.コーディネート
訪問看護や心のケア、保育や家事、入浴、買い物などのヘルパーやボランティアのコーディネートなど、
より身近なサポートを行っています。しかし地域によって稼動していないところもあります。
◆ 難病患者に対する日常生活用具の給付(市町村事業)
日常生活を営むのに著しく支障のある在宅の特定疾患患者、および小児慢性特定疾患児に対しては、2005年度より日常生活用具を給付することにより日常生活の便宜が図られています。給付の対象となる用具は、便器・特殊マット・特殊寝台・歩行支援用具・入浴補助用具・特殊尿器・体位変換機・車椅子・頭部保護帽・電気式たん吸引器・クールベスト・紫外線カットクリームです。自己負担は扶養義務者の課税状況により区分されています。

◎上記、各医療費等助成および難病支援制度、福祉サービスは、国および都道府県、指定都市、中核都市、市町村など各自治体の財政事情で変わってきますので、お住まいの保健センターや保健所、あるいは区市町村窓口にご確認ください。

◎WEBサイト「難病情報センター」で、詳しい情報がご覧になれます。
http://www.nanbyou.or.jp/
このサイトには、難病の定義および各難病疾患の解説や診断・治療指針、厚生労働省の動き、各相談窓口の紹介、患者支援団体一覧をはじめ、療養生活に必要な難病制度、医療保険制度など各種の難病支援のための関連制度の詳細が掲載されています。ほかにも就労支援、看護や福祉機器サービスなどをまとめた患者と家族の支援情報など、難病についての最新情報を網羅しています。

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